get の動詞フレーズ

【解説】

getはあらゆる種類の語と結びつくことができる、親和力の強い動詞だ。このことは「getを使いこなせるようになれば、英語力は完璧だ」とか「getを究めたら英語の神髄がつかめる」とか「getですべてのことが話せる」といった本が売られているなどからもわかるだろう。

■ getの本質的な意味

getの基本的な意味は、あとに続く語との相関関係によるので一口に説明するのは難しいが、とりあえず、「(Xが)自分のものになる」としておくのが妥当だと思う。
生活の中で「手に入れたい」ものはたくさんある。そんなときに用いられるのがgetで、ある意味で人間の「欲求、所有欲の充足」を満たすのがこの動詞ということになる。

■ 他の動詞との意味の違い

(1) getとtakeの意味の違い
getもtakeもいずれも「取る」と覚えていたら大きな間違いを起こす。まずtakeだが、この「取る」は「選択の自由があって、いくつかの中から一つを選び取る」という感じの行為だ。

次にあげた例の(a)のtakeの動詞フレーズはいずれもこの感じの行為だ。例えば、take a taxiでは列車(a train)やバス(a bus)などではなく、taxiを選んで「乗る」という表現となる。またtake thisは買い物などで「これいただきます」というI'll take this.のように使うが、これもあれ(that)、それ(it)よりも選択してthisを選ぶということだ。

一方、getは選択の意思があるなしに関係なく、「自分のものになる」「帰着する」という感じで、行為の終結とか結果の部分でとらえた言い方をする際の動詞だ。

(a) I will take a taxi.
  
私は(バスではなく)タクシーに乗ります
(b) I will get a taxi.
  
私は(なんとかして)タクシーに乗ります

(a) I took this.
  
私はこれを買った
(b) I got this.
  
私は(なんとかして)これを手に入た、買った

(a) She took a window seat.
  
彼女は窓側の席に座った、窓側の席を選んだ
(b) She got a window seat.
  彼女は窓側の席に座ることができた

以上、ある物を自分の所有する行為にもプロセスがあり、そのプロセスの発端の部分がtakeで、終結がgetと考えていただきたい。上のget a taxiでは、「やっとのことでタクシーに乗れた」ということだ。

(2) get とgiveの意味の違い
次の文は「ミルクをネコにやる」「ミルクを牛から取る」とまったく対照的な意味となる。getが「自分のものにする」「獲得する」という意味とは逆に、giveは「与える」「やる」ということだ。

(a) give milk to the cat
  
ネコにミルクをやる
(b) get milk from the cow
  
牛からミルクを手に入れる

(3) getとhaveの意味の違い
have a coldは「風邪をひいている」といった付帯状況を表すのに反して、getは「風邪をひく」とその状態への移行を表す。

(a) have (a) cold
(b) get (a) cold

(4) getとbeの意味の違い
beは「存在」を表し、形容詞(語)で状態を表す。つまり「そんな状態の存在だ」ということになり、be coldは「寒い」ということだ。
一方、getは同じように形容詞(語)で状態を表すが、そういう状態に「なる」と変化・移行を表すことになり、getを使うとそれだけ「動的な」表現ができるというわけだ。

(a) The soup is cold.
  スープは冷めてしまっている
(b) The soup is getting cold.
  スープは冷める、冷めつつある

(a) It is cold.
  寒い
(b) It gets cold.
  寒くなる

以下のフレーズでは(1)の(a)が進行形、(2)の(b)が受身形だ。私は先に登場した形容詞と区別して、movingやmarriedなど動詞を変化させたものを形容語と名づけているが、ファンクションメソッドではまったく同じしくみをもったものととらえている。
この場合、beが単なる「存在」を表す一方、beの代わりにgetを使うとそれだけ「〜になる」と変化・移行を表すことになる。

(1) (a) be moving
    動いている
  (b) get moving
    動き始める

(2) (a) be married
    
結婚している
  (b) get married
    
結婚する

ただここでの「〜なる」という表現でbecomeを使う人がいるが、これは少し文語的な表現となりる。特に会話ではbecomeよりもgetを使う方が英語が堅い感じにならなくていい。
ただし、getはたいていの形容詞と結びつくが、trueという形容詞はget trueとはならないことに注意してください。

become true 「事実になる」「本当になる」
come true 「事実になる」「本当になる」