第1節 名詞の働きとはこんなこと

【チャート】
〜冠詞次第でこれだけ意味が変わる〜

[1] a, anは「とあるひとつの個性」を表す
  ●WORD BUILDING [1] 動詞から名詞を作る
[2] 無冠詞は人格・本質・物の効用を表す
[3] 名詞の複数の表現
[4] 定冠詞theと不定冠詞a,anはまったく別物

[1] a, anは「とあるひとつの個性」を表す
 
【ポイント】 a, anをつけるかどうかは絵に描けるか描けないかの判断

a chicken
ニワトリ
chicken
鳥肉
chickens
ニワトリ(複数)
a glass
コップ
glass
ガラス
glasses
コップ(複数)、メガネ

文法ではa、anを不定冠詞と言い、常に名詞の前に冠のように「とある一つの個性のあるもの」といった判断で用いられます。
例えば、a chickenとchicken、a glassとglassにおいては、aがつくと「とあるひとまとまりの個性を持つもの」という判断が働き、「とある一羽のニワトリ」「とある一個のコップ」という意味となります。したがってこの場合、ニワトリやコップの絵は描けるということにもなります。
一方、aがつかないchicken(鶏肉)やglass(ガラス)は、「ひとまとりの個性を持たない」ので、絵は描けません。さらにこれらは「どこを切っても元のもの」だということも言えます。つまり鶏肉をいくら切っても鶏肉のままだし、ガラスもまた同じです。さらにこのことはloveやpeaceなど無形物にも当てはまることです。

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また「とあるひとまとまりの個性を持つもの」という判断が働く場合は、「二羽のニワトリ」や「2個のコップ」などと複数形にもなります。

●「絵に描けない」「目で追える」 → a, anをつける
有形物 a chicken
ニワトリ
a glass
コップ
a rabbit
ウサギ
a pig
a cow
雌牛
chickens glasses rabbits pigs cows → 複数形となる

●「絵に描ける」「目で追える」 → a, anをつけない
物質そのもの chicken
鶏肉
glass
ガラス
rabbit
ウサギ肉
pork
beef
雌牛
fish
魚(料理)
無形物 love
peace
平和
information
情報
→ 原則的に複数形とならない

■文法を生かして英語表現を■

(1) I have a dog, two cats, and five chickens.
  私は犬を一匹、猫を2匹、ニワトリを5羽飼っています

(2) There is a cow over there.
  あそこに牛が一頭います

(3) There is a glass on the table.
  テーブルの上にコップがあります

(4) I like chicken, lam, pork and beef.
  私は鳥肉、ラム肉、豚肉そして牛肉が好きです

(5) Which do you like better, tea or coffee?
  コーヒーとお茶とどちらがお好きですか?

(6) Life is short and hard.
  人生は短くて厳しいものです

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[1-2] 一定の動詞を変化させて「〜する人」と表現する英語発想

a chicken, a glass, a rabbit, a pig, a cowなど物や動物、あるいはa boy, a girlなど人を表す名詞がありますが、英語には動詞からの造語で「一定の行為をする人」と表現する場合があります。これが「存在」を表すbe動詞と結びつくと、「いつもそんな行為をする人」などと、とても英語らしい表現となります。 例えば、dreamは「夢を見る」という動詞ですが、これにerをつけると「いつも夢を見ている人」といった意味となります。
これらは動詞にer, or, istをつけて造語します。

You are a dreamer.
あなたは(いつも)夢を見ています
You are a good listener.
あなたはよく耳を傾けてくれます
He is a lover of music.
彼は音楽が大好きな人です

「先生」をa teacher、「ピアニスト」をa pianist、「歌手」をa singerと覚えている人も多いと思います。ところが、日本語の発想では何か職業的なイメージがありますが、英語の発想では「教える人」「ピアノを弾く人」「歌う人」といった意味となる場合が多いです。職業的な意味を表す場合は、a professional singerなどとなります。

■文法を生かして英語表現を■

(1) You are a good teacher.
  あなたは上手に教えてくれますね

(2) You are a good pianist.
  あなたは上手にピアノを弾きますね

(3) He is a good singer.
  彼は上手に歌を歌います

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(4) Is she a good speaker?
  彼女は話が上手ですか?

(5) He is a cat hater.
  彼は猫嫌いです

(6) I am a traveler.
  私たちは旅行者です

(7) She is a bad manager.
  彼女は(経済的に)やりくりべたな人です

(8) He is a star player.
  彼は花形選手です

(9) He is a good judge of character.
  彼は人の性格を見抜くのがうまい

(10) She is a good cook.
  彼女は料理がうまい

● 主語が複数の場合は補語も複数になるのが基本

主語が複数のものの展開を見てください。ここでのyouは「あなた方」など、theyは「彼らは、彼女たちは」などの意味です。

(1) You are good teachers. (6) We are travelers.
(2) You are good pianists. (7) They are bad managers.
(3) They are good singers. (8) They are star players.
(4) Are they good speakers? (9) They are good judges of character.
(5) They are cat haters.
(10) They are good cooks.

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●WORD BUILDING [1] 動詞から名詞を作る

(-erをつけるもの)
speak → speaker
話す
dance → dancer
踊る
drink → drinker
飲む
keep → keeper
保つ
paint → painter
描く
sing → singer
歌う
eat → eater
食べる
talk → talker
話す
travel → traveler
旅行する
smoke → smoker
煙草を吸う
read → reader
読む
teach → teacher
教える
lead → leader
導く
garden → gardener
庭仕事をする
swim → swimmer
泳ぐ
run → runner
走る
begin → beginner
始める
listen → listener
聞く
manage → manager
マネージする
hate → hater
嫌う
play → player
プレイする
love → lover
愛する


(-orをつけるもの)
act → actor
行なう、演じる
edit → editor
編集する
sail → sailor
航海する
translate → translator
翻訳する
credit → creditor
信用する
educate → educator
教育する


(-istをつけるもの)
violin → violinist
バイオリン
piano → pianist
ピアノ

(変わらないもの)
cook → cook
料理する
guide → guide
案内する
judge → judge
判断する

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[1-3] 一定の動詞にaをつけて「ひとまとまりの行為」を表現するもの

以下にあげたのは、haveやtakeなど基本的な動詞とa walk, a look, a dreamなどaをつけて「ひとまとまりの行為」を名詞として表現する例です。このような表現は、生の英会話で多用され、「英語を話す」には欠かせない表現です。
日本語の発想では、「散歩する」「見る」など動詞の単独表現をしてしまいがちですが、これはいわば動作を強調する表現となり、しかも過去形や進行形などに変化させて表現する場合に動詞の変化が複雑なものとなります。

I walk every day.
I walked yesterday.
I am walking now.

一方、以下のような表現は限られた動詞=「よく働く動詞」を使うので動詞変化も簡単なものとなり、しかも英語らしい表現となります。

I have a walk every day.
I had a walk yesterday.
I am having a walk now.

日本の英語教育は、日本語の動詞と英語の動詞が一対一に対応しているように教え、それを暗記させようとしますが、会話場面では。例えば、同じlookを以下のように「よく働く動詞」を使い分けることもあります。

Have a look! 見てよ!
Take a look! ちょっと見てよ!
Give a long look! じっと見てよ!

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(一定の行為を持つ)
have a walk 散歩する have a look 見る
have a dream 夢を見る have a rest 休憩する
have a bath 風呂に入る have a fight 喧嘩する
have a chat おしゃべりをする have a cold 風邪をひいている
have a dance 踊る have a date デートする
have a sleep 眠る have a debate ディベートする
have a drink 飲む have a fall 転ぶ
have a cry 泣く have a shave ひげを剃る

(一定の行為にとりかかる)
take a bath 入浴する take a break ひと休みする
take a rest 休憩する take a shower シャワーを浴びる
take a breath 呼吸をする take a look ちょっと見る
take a seat 席に着く take a picture 写真を撮る
take a copy コピーをとる take a curve カーブを曲がる
take a drive ドライブする take a guess 推測する
take a nap うたたねする take a picnic ピクニックする
take a ride (乗り物等に)乗る take a step 処置をとる
take a test 試験を受ける take a walk 散歩する

(一定の行為を得る)
get a drink 一杯飲む get a blow 殴られる
get a taste 味あう get a scold 叱られる
get a burn やけどする get a cut (指などを)切る
get a broken arm 腕を折る get a cold 風邪をひく
get a promotion 昇進する get a wash 洗う
get an answer 返事をもらう


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-16- 省略

[2] 無冠詞は人格・本質・物の効用を表す
【ポイント】 どこを切っても元のままという価値判断

ウサギ(a rabbit)や豚(a pig)や牛(a cow)は「絵に描ける」が、ウサギの肉(rabbit)、豚肉(pork)、牛肉(beef)、水(water)、愛(love)、平和(peace)、情報(information)などの絵は描けません。さらにこれらは「どこを切っても元のまま」ということもすでに述べました。

Is this a rabbit? これは(1羽の)ウサギですか?
Is this rabbit? これはウサギ肉ですか?

ある歌の題名にGirlというものがありますが、これは「女の子」= a girlという意味ではなく、「とかく女の子というものは」という意味で、女の子の本質などを表現します。

How does woman different from man?
女性と男性はどのように違うの?

[2-1] 無冠詞の名詞を数える

例えばレモンが1個か2個かは、a lemonやtwo lemonsと表現しますが、aがつかないlemonは「どこを切っても」のレモン果汁や「スライスしたレモン」となります。この場合、そのスライスした一片をa slice of lemon、二片をtwo slices of lemonなどと一定の語句を用います。

a lemon 一個のレモン
tea with lemon レモン果汁入りの紅茶
a slice of lemon 一片のレモン

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このような一定の語句には以下のように、「容器」や「単位」、そして「形状」を表すものがあります。

(a) 容器を表す語句を用いる
a glass of water コップ一杯の水
a bottle of water ボトル一杯の水
a bucket of water バケツ一杯の水
a tub of water 桶一杯の水
a bowl of rice 茶碗一杯の米
a spoonful of sugar スプーン一杯の砂糖
a handful of sand 手一杯の砂
a pinch of sugar 砂糖ひとつまみ

(b) 単位を表す語句を用いる
a pound of chicken 一ポンドの鶏肉
a pint of beer 1パイントのビール

(c) 形状を表す語句を用いる
a slice[piece] of bread 一片のバン
a loaf of bread 一斤のパン
a piece of tofu 豆腐
a grain of rice 一粒の米
a piece of information 情報一つ
a piece of advice 一つのアドバイス
an item of news 一つのニュース

■文法を生かして英語表現を■

(1) I would like tea with milk.
  私はミルクティーをいただきます

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(2) I would like tea with a slice of lemon in it.
  私はお茶にレモンを一切れ入たものをいただきます

(3) Two glasses of beer and one cup of coffee, please.
  (Two beers and one coffee, please.)
  グラス2杯のビールとコーヒーを一杯ください

(4) Do you have different kinds of wine?
  違う種類のワインがありますか?

(5) I will buy a loaf of bread.
  私はパンを一斤買うつもりです

(6) I bought two pieces of tofu.
  私は豆腐を2つ買いました

[2-2] 無冠詞表現が多い「前置詞+名詞」

例えばa schoolやa houseは「学校の建物」「家」といった意味ですが、無冠詞のschoolは「授業」、houseは「ままごと」の意味です。「学校の建物」や「家」は絵に描けますが、「授業」「ままごと」は絵に描けないもので、ものごとの本質、効用を表します。以下のbed, hospitalもまったく同じです。

There are two schools in our city.
私たちの町には学校が2つあります

■文法を生かして英語表現を■

(1) She is at school.
  彼女は授業中です

(2) She goes to school by bus.
  彼女はバスで通学しています

(3) Let's play house.
  ままごとをしましょう

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(4) She goes to bed at ten.
  彼女は10時に寝ます

(5) My wife is in bed with a cold.
  妻は風邪で寝ています

(6) She is in hospital.
  彼女は入院中です

(7) They are in love.
  彼らは恋愛中です

(8) He is watching television.
  彼はテレビを見ています

(9) He goes to work by bus.
  彼はバスで通勤しています

●名詞の理解のしかたの例

辞書によっては、名詞に C=Countable, U=uncountableなどの表記がありますね。これは「数えることができる名詞」=「絵にかける名詞と、「数えることができない名詞」=「絵に描けない名詞」の区別です。でも基本はそうですが、やはり覚えるしかないというものは多いです。でもCountableかUncountableであるかは、日頃から注意しておく必要があります。

  [hair]
   hair U 髪の毛(全体)、(体の)毛
    I have red hair.
    私は赤毛です
   a hair C (1本の)髪の毛
    I have three white hairs.
    私には白髪が3本あります

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[3] 名詞の複数の表現
【ポイント】 ひとまりの個性を持ったものの2つ以上のものという判断

普通、「私は犬が好きです」をI like a dog.と言わないのは、「とある一匹の犬」を思い浮かべるよりも、「犬という個性を持った犬、犬、犬」が好きだととらえるからI like dogs.と表現します。

I like dogs.
Boys like baseball = Any boys like baseball.
男の子というものは野球が好きです
Girls like dolls.  = Any girls like dolls.
女の子というものは人形が好きです
※anyは「見渡す限りどんな男の子も、どんな女の子も」の意味です。

[3-1] 常に複数形で用いられる名詞

以下の名詞は、いずれも、ペアになっていていつも複数形で用いられる名詞です。これらを数える場合は、a pair ofやtwo pairs ofなどを使い、例えば日本語の「靴一足」はa pair of shoesとなることに注意してください。
またこれらの数を聞く表現では、How many pairs of ~を使います。

glasses, scissors, spectacles, pants, pajamas, trousers, .
メガネ、はさみ、双眼鏡、パンツ(ズボン)、パジャマ、ズボン、
jeans, shoes, earrings, socks, chopsticks, shirts, etc.
ジーンズ、靴、イアリング、靴下、はし、シャツ

a pair of shoes
一対の靴
two pairs of shoes
靴二足
a pair of glasses
一対のメガネ
two pairs of glasses
2個のメガネ

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■文法を生かして英語表現を■

(1) I will buy a pair of socks.
  私はソックス 1 足買うつもりです

(2) She wants a new pair of jeans.
  彼女は新しいジーンズ一対を欲しがっています

(3) There are two pairs of glasses on the table.
  テーブルの上にコップが二組あります

(4) He has six pairs of running shoes.
  彼はランニングシューズ6足を持っています

(5) How many pairs of shoes did you buy?
  あなたは靴を何足買いましたか?

(6) These earrings are pretty.
  このイアリングは可愛い

[4] 定冠詞theと不定冠詞a,anはまったく別物
【ポイント】 theは「例の、その」という特定の人、ものという判断

英英辞典でa,anとtheを調べると次のようになっています。

不定冠詞---"A/An" means one.
(a/anは「ひとつ」を意味する)
定冠詞-----"The" means something like "we both know."
(theは、「どちらの人も知っているような}という意味を表す

だから、the chickenは「その、例のニワトリ」と「その、例の鶏肉」と2つの意味が、またthe chickensは「その、例のニワトリ(複数)」といった意味となります。また「絵に描けない名詞」もtheをつけて表現します。

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a chicken
ニワトリ
chicken
鳥肉
chickens
ニワトリ(複数)
the chicken
そのニワトリ
the chicken
その鳥肉
the chickens
そのニワトリ(複数)

a glass
コップ
glass
ガラス
glasses
コップ(複数)、メガネ
the glass
そのコップ
the glass
そのガラス
the glasses
そのコップ(複数)
そのメガネ

Chicken is expensive.
鶏肉というものは値段が高い

The chicken is expensive.
その、例の鶏肉は値段が高い

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