Coffee Room
  2. 「the」「a, an」の問題

Kenny: 日頃から、日本人の多くは名詞のとらえ方や冠詞の使い方がよくわかっていないという気がしていますが、中嶋さんはどこに原因があると考えていますか?
中嶋: そうだね。例えば、日本語の「犬」を表現する場合は、冠詞を含めて英語では次のような表現があるね。無理矢理日本語訳をつけると次のようになる。

dog a dog dogs the dog the dogs
犬肉 とある一匹の犬 犬たち 例の犬 例の犬たち

Kenny: 以前英会話教室で、単にdogを使って、I like dog.と言えば、「私は犬肉が好きだ」の意味となると説明したことがあるが、生徒たちは驚いていたよ。
中嶋: a dogと表現すると、犬という個体を想像するが、dogだと不定冠詞のaやanの意味である「とあるひとつの個体」という意味がなくなり、「どこを切っても同じもの」といったことになるんだね。
waterやmilk、Billといった名前の人も、Australiaといった国名も、それが当てはまるわけだ。あるいは肉(meat)、beef(牛肉)、pork(豚肉)、lamb(羊肉)もそうだね。でも犬と同じようにa rabbitだと「一羽のウサギ」だけど、rabbitとなると(ウサギ肉)となってしまう。
「どこを切ってもBillさん」という人も、a Billとなると「ビルという名前の人」とか、two Billsとなると「二人のビルさん」ということになる。
一方dogsとなると「犬、犬、犬」といった複数の個体となって、「犬が好きだ」といった場合は、like dogsとなる。

Kenny: 私たちネイティブが当然だと考えていることだけど、日本人にはなかなか理解できないものだろうね。
中嶋: 日本の英語教育が悪いんだよ。「可算名詞には a や an をつける」などと教えているが、なぜそうなるといった本質的な説明をしないことや、あるいはそれを実際に使った場合「間違いだ」と決めつける前に、少なくともネイティブの人にはどう通じてしまうかといった教育をしないからだよ。
ところで、すでにイメトレに登場した動詞フレーズのうち、「好きだ」という意味で使われているlikeやhateにつながる名詞は単にcatsやcarrotsなどとなっている。一方「欲しい」という意味で使われるlikeやhaveなどになると、その数や量が問題となって、単なる複数表現があまり使われないことに気づいてほしいね。これはwantやneedでも同じことだよ。
Kenny: そうだよね。「欲しい」「必要だ」あるいは「いただく」といった場合は、「いくらか」「少し」という表現は欠かせないからね。私たちネイティブは当然身についているが、日本人は少なくとも動詞フレーズで覚えてしまうことが大切だと思うよ。

 I want some. いくらか欲しい(数・量)
 I want a little. 少し欲しい(量)
 I want a few. 少し欲しい(数)
 I want a lot. たくさん欲しい(数・量)
 I want much. たくさん欲しい(量)
 I want many. たくさん欲しい(数)
 I don't want any more. もうこれ以上欲しくない(数・量)

中嶋:この場合、日本語では同じ意味でも、英語では「数」と「量」を区別していることに注目してほしいね。

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